今回は、このような疑問にお応えすべく、「大学生のうちにとっておくべきIT資格」をみなさんにお伝えしようと思います。
- 就活で有利になることをしておきたい
- IT資格を取りたいけど種類が多すぎて分からない
- 資格を通じて、ITについて勉強したい
IT業界にはとても多くの種類の資格があります。さらに、ここ年の間にも新しい資格が登場したり、名前が変わったりするなど、IT資格はとても複雑です。難易度に関しても、大学生でもきちんと勉強すればとれるものから、その業界で働いている人でも取得が難しいような資格まで様々です。
IT化が進むこのご時世では、エンジニアなどのITの専門家だけでなく、全ての業種の人材にとっても、「IT資格を持っている」ということは、就活でも就職してからも、大きなポジティブポイントになります。
ただ、「色々ありすぎてどれを取得したらいいかわからない」ですよね。
この記事では実際に、某国立大学の工学部で情報系を学んでいる私が、大学生のうちに取っておくべきIT資格の種類や難易度・その特徴について説明していきます。
Contents
IT資格は就活で有利になるの?
結論から言うと、有利になります。
しかし、どの程度有利になるかは、企業によっても、人事のそれぞれの人によっても違いますので。正直知る由がありません。
というのも、皆さんの中でこのような考え方だったりする人はいませんか?
実はこの「ライアン」のような人材は就活では評価されなかったりします。
つまり、採用する側の考えとしては、資格という「肩書き」を評価するのではなく、興味のある分野に対する「人間性」を評価するのです。
と思われた方もいると思いますが、実はこの話・・・
日本を代表する(というかトップ?)ような某保険会社の採用担当の方とお話をする機会があり、その方がおっしゃられていたことです。
「体育会系の部活が就活で有利」とか「とにかく留学に行った人が就活で有利」と言った話も全く同じことです。体育会系じゃなくても、上下関係がしっかりしていて素直な人ならそれでいいし、留学行ってなくても外国人の中でコミュニケーション取れたら十二分なのです。
って思われるかもしれませんが、私の周りを含めてそういう考えの学生って多いと思います。
自分が本当にその知識を得たいから資格を取りたいって気持ちでいると、自ずと受けるべきIT資格も見えてきますよ!
この記事がそのお手伝いになると思います!
資格の種類を知る
まず、IT資格にはどういうものがあるのかを知っておく必要があるでしょう。
IT資格は大きく分けると「国家資格・試験」「民間資格・試験」の2種類に分かれています。それでは、この2つの資格についてどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
国家資格・試験
国家資格・試験は国が認定しているため信頼度が高く、就職にも有利に働くことが多いと言われている資格です。
(例)
・ITパスポート試験
・基本情報技術者試験
・情報セキュリティマネジメント試験
民間資格・試験
民間(ベンダー)資格とは、IT関係のメーカーや販売会社が、認定している試験・資格のことを指し、主にそれらの会社の製品に関する一知識やスキルが高いことの証明となるものです。特にインフラ系エンジニアの方には有用な資格がそろっています。
(例)
・マイクロソフト認定試験
・Cisco技術者認定
・Linux技術者認定試験
どっちがいいの?
就活という広い範囲で活かそうと考えているなら、国家試験・資格がベターだと考えており、その中でもIPA(情報処理推進機構)が主催する試験・資格がベストだと考えています。
というのも、このような2点の理由があるからです。
①:資格取得に関する費用の面
代表となる国家試験・資格の受験料を以下にまとめました。
名称 | 運営 | 受験料 |
ITパスポート試験 | IPA 情報処理推進機構 | 5,700円 |
基本情報技術者試験 | IPA 情報処理推進機構 | 5,700円 |
応用情報技術者試験 | IPA 情報処理推進機構 | 5,700円 |
次に、民間試験・資格の受験料です。
名称 | 運営 | 受験料 |
マイクロソフト認定試験 | Microsoft | 21,100円 |
Linux技術者認定試験 | LPI-Japan | 30,000円 |
Cisco技術者認定(CCNA) | Cisco | 39,000円 |
比較してもらうと分かるように、国家試験・資格は全て受験料が5,700円であり、それに対して民間試験・資格は20,000円以上とあるように、受験料が高い傾向にあります。
②:どの分野でも広く評価される汎用性
冒頭で「就活の評価だけを目当てにするな!」というような内容を言ったと思うのですが、やはり、どうせ勉強するなら適切に評価される試験の勉強をしたいという気持ちもあると思います。
そこで、「国家試験・資格」と「民間試験・資格」では、どちらのほうが就活のときに、メリットになる影響が大きいのかについてお伝えしたいと思います。
ずばり、「国家試験・資格」です。
もちろん、ある特定の企業に就職したい場合にその企業が運営している民間試験・資格を持っているのは、国家試験・資格よりも大きく有利に働く場合もあると思います。
しかし、大学生である私たちは、就職したいしたい企業を1つ2つに絞って、そこしか受けないなんてことありませんよね?
そんな大学生には、国が認めていて知名度も高い「国家試験・資格」のほうが、適切です。
IT資格の王道の国家試験・資格はこれ!
ここでは、IT資格の中でも、「この資格を受けていれば間違いなし!」という国家試験・資格を紹介します。
それは、ここまで読んでくれた方なら、うすうす気付いていると思いますが、IT資格の王道の国家試験・資格は「IPA(情報処理推進機構)」が運営する国家試験・資格です。
IPAは、”政策実施機関として、情報セキュリティ、ソフトウェア高信頼化、IT人材育成等の施策を展開”している団体であり、そのIPAが運営している国家試験・資格は、他の資格と比べても、知名度が高く、汎用性が高いと言えます。
このIPAが、運営している国家試験・資格には様々な種類があります。以下の図を見て、それぞれの資格・試験の難易度や概要について見てみて下さい。

これらの試験について、皆さんがどの試験・資格を取得するべきなのかをお伝えしていきます。
取るべきIT資格は就きたい職によって様々!
上に添付した写真を見ていただくと、縦割りで「ITを利活用する者」、「情報処理技術者」「サイバーセキュリティーを推進する人材」と分かれていることが分かると思います。
ここで、「サイバーセキュリティーを推進する人材」は「情報処理安全確保支援士試験(SC)」に合格した人が、申請することで、国家資格として認められる「情報処理安全確保支援士」のことであるため、事実上は、「サイバーセキュリティーを推進する人材」も、「情報処理技術者」に含まれると考えて問題ありません。
つまり、IT資格の対象は大きく分けて2つに分類されます。ただし、上記で紹介した分類は少しイメージしにくいので、言い換えましょう!
「ITを利活用する者」は「非エンジニアとしてITに関わる人」
「情報処理技術者」は「エンジニアとしてITに関わる人」
と言い換えることができます。
さらに、先ほど添付した写真を見ていただくと、「ITを利活用する者」の分類の中でも、下半分あたりに「全ての社会人」と書かれているところがありますね!
この記事では、「全ての社会人」「非エンジニアとしてITに関わる人」「エンジニアとしてITに関わる人」の3つに分けて、大学生が受けるべきオススメの資格を紹介していきたいと思います。
全ての社会人
基本的にIT業務に関わらない人であっても、とっておくべきオススメのIT資格は「ITパスポート試験」・「情報セキュリティマネジメント試験」の2つです。
もちろん、他の資格をとっておくに越したことはないのですが、時間的コスパを考えるとこの3つの資格をとるのがベストだと思います。
ITパスポート試験
ITパスポートとは「情報処理技術者試験」のうち最も簡単なエントリーレベルの試験であり、「情報処理の促進に関する法律」に基づく国家試験です。応募者数は77万人を超える人気資格となっています。
ITパスポート試験は、ITエンジニアだけでなく幅広い層にITに関する正しい知識が必要であるという点から、事務系などの職種を中心に、就活では有利に働くことも多いです。
ITパスポートの試験時間・出題形式・問題数
難易度 | ★☆☆☆☆ |
---|---|
試験時間 | 120分 |
問題数 | 100問 <分野別内訳> ストラテジ系(経営全般):35問程度 マネジメント系(IT管理):20問程度 テクノロジ系(IT技術) :45問程度 |
出題形式 | 四肢択一(CBT方式) |
合格率 | 50%前後 |
おすすめの参考書
キタミ式イラストIT塾 ITパスポート 令和02年 (情報処理技術者試験)
ITパスポート試験などの情報技術者試験を初めて受けると言えば「キタミ式イラストIT塾 ITパスポート 令和02年 (情報処理技術者試験)」をはじめとする「キタミ式」シリーズがオススメです!
なんといっても、”分かりやすい”のひとことに尽きます!
というのも、分かりにくい専門用語などについては、多くのイラストを交えて、ITの経験がない方にも分かりやすいように説明してくれています。
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、平成28年度春期試験から始まった、比較的新しい情報処理技術者試験の1つで国家試験です。「IT技術」ではなく「人材のセキュリティ意識」による対策をするという、セキュリティ人材の育成を目的として設立されました。
”「IT技術」による対策ではなく”と書いているように、試験内容には、IT技術を問われるような問題は含まれません。会社で働く全ての社会人が、意識しなければならない「セキュリティ」を”マネジメントする”という立場の試験内容であるため、
情報セキュリティマネジメント試験の試験時間・出題形式・問題数
難易度 | ★★☆☆☆ |
---|---|
試験時間 | 午前:90分(9:30~11:00) 午後:90分(12:30~14:30) |
問題数 | 午前:90問 ストラテジ系(経営全般) マネジメント系(IT管理) テクノロジ系(IT技術)午後:多肢選択式 3問 ・情報セキュリティマネジメントの計画、情報セキュリティ要求事項に関すること ・情報セキュリティマネジメントの運用・継続的改善に関すること |
出題形式 | 午前:多肢選択式(四肢択一) 午後:多肢選択式 |
合格率 | 50%前後 |
おすすめの参考書
情報処理教科書 出るとこだけ!情報セキュリティマネジメント テキスト&問題集 2020年版情報セキュリティマネジメント試験を受けるなら、「情報処理教科書 出るとこだけ!情報セキュリティマネジメント テキスト&問題集 2020年版」がベストだと思います。
情報セキュリティマネジメント試験の特徴として、以下の2点が挙げられます。
- 実施されてからの年数が浅い
- 過去問から半分以上出題される
この書籍は、過去問を徹底的に分析して、それを基に表紙に書いているように「でるところだけ」を集中して、勉強できる書籍となっています。
という方にはぴったりです!
また、本書には過去問も掲載されており、情報セキュリティマネジメント試験に関する全てがこの1冊だけで学べるという是非使ってほしい書籍です。
非エンジニアとしてITに関わる人
基本的にIT業務に関わらない人であっても、大学生のうちにとっておくべきオススメのIT資格は、「情報セキュリティマネジメント試験」・「基本情報技術者試験」の2つです。
「基本情報技術者試験」は、どちらかというとエンジニアの要素も少し入ってくるため、まったくITの知識がないという人は、全ての社会人のパートで説明した「ITパスポート試験」を経て、「情報セキュリティマネジメント試験」というルートもおすすめです!
ただ、工学部でITを勉強しているといった大学生にとっては「ITパスポート試験」は、少し簡単すぎると感じる方もいると思います。そのような方は、「基本情報技術者試験」を持っておくと、「さては、コイツ営業職希望なのにIT技術をある程度分かってるな!?」という評価をしてもらえる可能性が高くなります。
もちろん、「基本情報技術者試験」よりも1段階難しい「応用情報技術者試験」を持っておくと、「ん?コイツは営業職なのに、なんで若手のエンジニアよりIT技術に詳しいんだ!?」という評価をしてもらえるかもしれませんが、難易度が高く、時間的コスパを考えると、「基本情報技術者試験」でとどめておくのがベターだと考えています。
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験については、上記の全ての社会人のところで紹介しているため、そちらをご覧ください!
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、IPAが運営している情報処理技術者試験の試験のひとつであり、「情報処理の促進に関する法律」に基づく国家試験です。
IPAのホームページには、対象者象として、「高度 IT 人材となるために必要な基本的知識・技能をもち,実践的な活用能力を身に付けた者」と、ありますが分かりにくいと思うので、言い換えておきますね。
「IT業界で働く場合は、少なくともこのくらいの知識・技術は持っておいてね!」というような資格です!
つまり、「大学生でもきちんと勉強すれば全然手の届く範囲にある」試験で、「基本的なIT知識・技術」を持っていることの証明となる試験です。
大学で情報関係の勉強を専門にしている学生の方なら、ほとんど対策をしなくても受かることのできるレベルだと考えております。
基本情報技術者試験の試験時間・出題形式・問題数
難易度 | ★★☆☆☆ |
---|---|
試験時間 | 午前:9:30~12:00(150分) 午後:13:00~15:30(150分) |
問題数 | 午前: 解答数出題数:80問 解答数:80問午後: 出題数:11問 解答数:5問 |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) |
合格率 | 20~30%程度 |
おすすめの参考書
キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 平成31/01年 (情報処理技術者試験) 私が初めてこの本を購入したのは、ITに関する知識が全くと言っていいほどなかった大学1年生のときでした。基本情報技術者試験は、コンピューターの構造を知るといった暗記問題だけではなく、2進数の計算であったりといった計算問題も出題されます。
あまりそういった計算問題に数多く触れてこなかった私だったのですが、この書籍は「ITパスポート試験」で説明したように、イラストが要所要所で分かりにくい用語や考え方を、IT初心者の人にも分かりやすく説明してくれているため、時間はかかりましたが理解することができました。
まだ、ITの知識が乏しい方にとっては、取組みやすく合格に必要な情報が適切な分量で掲載されている本書を使って勉強することをおすすめします。
将来的にエンジニアとしてITに関わっていきたいと考えている方が、大
エンジニアとしてITに関わる人
学生のうちにとっておくべきオススメのIT資格は、「情報セキュリティマネジメント試験」・「応用情報技術者試験」の2つです。
「情報セキュリティマネジメント試験」については、技術的な問題はないため、一見エンジニアには向かないんじゃないの?と思われる方もいると思います。しかし、現在「セキュリティ」をきちんと分かっているエンジニアは、評価されるというか、むしろ”当たり前”のような認識となってきています。
もちろんバリバリのエンジニアとして働くならという話なので、学生のうちにそれができていればめちゃくちゃ評価されます!こういった観点からも、比較的簡単に取得できこれからさらに需要が高まっていくセキュリティ分野の資格である「情報セキュリティマネジメント試験」をとっておくべきだと言えるでしょう。
そして、2つ目は「応用情報技術者試験」です!
これははっきり言って、学生が持っていたらかなり評価が高いです。私の在籍している学校でも、大学4年生くらいからぼちぼちこの資格を持っている人がいるといった感じです。
また、あるIT企業の社長とお話する機会があり、そのときに「学生のうちに応用情報技術者試験とっておくと有利だよ」と言われたこともあります。
もちろん、「応用情報技術者試験」は「基本情報技術者試験」より1段階レベルの高い試験であるため、取得するにはそれなりの時間と対策が必要になってきます。そのため、まずは「基本情報技術者試験」を受け合格してから、「応用情報技術者試験」を受けるという方が比較的多いです。
時間と労力をかけても、それ以上に得られる知識・技術がある試験だと思うので、将来エンジニアとして活躍することを目指している方は、是非学生のうちにチャレンジしてみてください!
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験については、上記の全ての社会人のところで紹介しているため、そちらをご覧ください!
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、IPAが運営している情報処理技術者試験の試験のひとつであり、「情報処理の促進に関する法律」に基づく国家試験です。
IPAのホームページには、対象者象として、「高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」と、ありますが分かりにくいと思うので、言い換えておきますね。
「IT業界で働く場合は、この資格もってたら十分通用するよ!」というような資格です!
大学生でも時間と労力をじっくりかければ受かることのできる試験で、「実践的なIT知識・技術」を持っていることの証明となる試験です。
将来、エンジニアとして働くことを目標としている学生の方は、チャレンジしてみるといいと思いますよ!
応用情報技術者試験の試験時間・出題形式・問題数
難易度 | ★★★☆☆ |
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試験時間 | 午前:9:30~12:00(150分) 午後:13:00~15:30(150分) |
問題数 | 午前:四肢択一80問 ストラテジ系(経営全般) マネジメント系(IT管理) テクノロジ系(IT技術)午後:記述式12問中6問 |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) |
合格率 | 20%程度 |
まとめ
今回は、大学生のうちにとっておくべきIT資格を「全ての社会人」「非エンジニアとしてITに関わる人」「エンジニアとしてITに関わる人」の3分類に分けて紹介しました。
ITの勉強をしたいけど何をしていいのか分からない方や、学生のうちに何をしていいのか分からない大学生の方は是非IT資格をとって、学生のうちにITの知識を深めて、就活で有利になる状況を作っておきましょう。
今回は、以上になります!質問や疑問点などございましたら、ぜひぜひ「お問い合わせ」の方からご連絡ください!Twitterも是非フォローよろしくお願いします!
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